2025.10.17 | 社長ブログ コプロらしさとは何か

最近、政府が「フィジカルAI」という新しいタイプの人工知能を、社会の中で本格的に活用していく方針を打ち出しました。これは、ロボットやドローンのように“実体を持つAI”を、農業や物流、都市づくりなどの現場に導入して、人手不足や作業効率の課題を解決していこうという動きです。

例えば、農業では収穫ロボットが高齢化する現場を支え、物流では自動搬送ロボットが作業を効率化するなど、すでに身近なところで導入が進んでいます。こうした技術の進展は、「人にしかできないこと」と「技術に任せるべきこと」の境界を見直すきっかけにもなっています。

このニュースを聞いて、私たちのスローガン「変わり続けるを、続けよう。」という言葉の意味を、改めて深く見つめ直しています。この言葉は、ただ新しいことを追いかけるという意味ではありません。むしろ、私たちがずっと大切にしてきた「継続は力なり」という本質を基盤にして、変化にどう向き合うかを問いかける言葉なのです。

真面目さを土台に、ダイナミックに変化へ挑む

私たちはこれまで、真面目に、地道に、クライアントに寄り添いながら仕事を積み重ねてきました。うちのスタッフは、誰をとっても真面目。ある意味、面白みがないくらい真面目です。この真面目さは、これから先も絶対に忘れてはいけない価値だと思っています。どんなに時代が変わっても、ここが会社の土台であり、私にとっての「コプロらしさ」の原点です。

だから「変わり続けるを、続けよう。」は、これまでの真面目さを捨てて変化するという意味ではありません。むしろ真面目さをベースにしながら、どうダイナミックに変化していけるかを問いかけるスローガンです。

正直に言えば、私たちはこれまで、あまり変われてこなかった。そんな思いがあります。お客さまから言われたことだけに実直に取り組んできたため、新技術の主体的な活用を後回しにしてきました。

しかし、社会や技術の変化は待ってはくれません。例えばファンマーケティングの領域では、アプリやクラウドを活用した会員管理や情報配信が主流になりつつあります。従来の紙ベースのコミュニケーションや発送業務のあり方が見直され、サービスのあり方そのものもきっと変わっていくでしょう。

私たちの強みであるデータベースマーケティングも新しい技術を柔軟に取り込みながら進化し、お客さまに主体的にご提案しながら、お客さまと一緒に新しいサービスをつくり上げていく。このような挑戦こそが、これからのコプロらしさを形づくっていくと考えています。

AIがCEOになる時代、「学び続けるを、続けよう。」

AIやデジタル技術の進展は、私たち自身の業務のあり方や成長の仕方にも、新たな可能性をもたらしています。だからこそ、私が普段から口にしている「学び続けるを、続けよう。」という言葉もまた、同じように大切です。

最近では、経営判断を支援する「AI-CEO」や「AI役員」を導入する会社もあると聞きます。人間が下す決定をAIが並行して分析したり、複数の選択肢を提示したりして、リスクや効果を定量的に評価するなど、経営の質を高めるために活用されています。法的・制度的な制約もあり、AIが実際に法人登記上の代表取締役やCEOに就任することはできませんが、技術の進化に人間が追いつかなければ、何か間違いがあっても気づかないということにもなりかねません。

また、当社とグループ会社で構成するコプログループにはITエンジニアが100人以上います。AI技術の進化によって、システム開発技術はどう変わっていくのか。そして、エンジニアのキャリアはどのように築くべきか。エンジニアやプロジェクトマネージャーに求められる資質も、どんどん変わってきています。

そのため、社員一人ひとりが自らのキャリアを主体的に描き、学び続ける環境づくりが欠かせません。私たちは今、挑戦する人材が育つ土壌を整えようとしています。

信頼こそが、持続的な成長を生む

そして、私自身がもうひとつ大切にしている考え方があります。

「目先の売り上げを追求する会社は伸びない」——これは、私自身がこれまでの経営の中で何度も実感してきたことです。もちろん、売上は企業活動において欠かせない指標です。しかし、目の前の数字だけを追いかけるのではなく、良い仕事をつくること、価値ある提案をすること、社員が成長できる環境を整えること。そうした積み重ねが、結果として信頼につながり、持続的な成長を生むのだと考えています。

前回のブログでも触れたように、現在、社内では横断的な組織体制の整備や提案力の強化、パッケージ戦略の構築など、未来に向けた新しい取り組みを進めています。地道な交渉を重ね、新しい業界にもアプローチをしながらいろいろな経験をし、成果を出して評判を獲得し、そして広げていく。すぐに目に見える成果が出るものばかりではありませんが、小さな挑戦の積み重ねがやがて大きな成果につながると信じています。

「変わり続けるを、続けよう。」という言葉が誤解されることもあります。「そんなに変わったら会社が維持できないだろう」と。でも違うのです。継続は力なり。それがあるからこそ、変われるのです。変化に流されるのではなく、変化を味方につけていくという意思表明です。それこそが、コプロらしさの新しい形だと思っています。

代表取締役社長   金田 浩邦