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その頑張りはファンに届くのか?ファンを5つのセグメントに分けて考えることの必要性

「ファンに喜んでもらうために色々頑張っているけど…本当にファンに届いているのかな?」SNSやイベント、ライブに試合会場、応援グッズの開発やキャンペーンといったファンとのコミュニケーションを取るうえで、こういったお悩みをお持ちの方は多くいらっしゃいます。

今回の記事では、そういったお悩みを解消するために、誰に対してどんなコミュニケーションを取るべきなのか?を解説していきます。

(※)本来の「偶像」や「崇拝される人・もの」という意味で、この記事では歌手・アーティスト・スポーツチーム・アニメの主人公なども全てアイドルと呼んでいます。

基本的なファンの構造を知る

まずはファンの構造化からご説明していきましょう。一般的なマーケティングの考え方に通じるものではありますが、ファン(将的なファンも含めて)は大きく分けて以下の5つのカテゴリに分けて考えることが必要です。

ロイヤル層アイドルに対して愛着を持っている
一般層アイドルに対して好意を持っている
休眠層アイドルに対する愛着・好意が薄れている
認知層アイドルを知っているが好意を持ったことはない
未認知層アイドルをそもそも知らない

ロイヤル層

ファンとして理想ともいえるカテゴリです。アイドルに対して好意を超えた愛着を感じており、アイドルの活動を自分の事のように共感してくれます。
例)
・グッズやチケットを欠かさず購入し、経済的にも貢献している。
・ソーシャルメディアで積極的に情報発信や応援活動を行う。

一般層

ロイヤル層にも休眠層にもなりえる、ファンの中で最もボリュームのあるカテゴリです。好意を持って応援をしてくれますが、アイドルの活動については受け身で、ある種の消費者として接します。
例)
・活動や試合を時々チェックし、興味があるときにイベントに参加する。
・グッズをたまに購入するが、コレクションするほどではない。

休眠層

昔は好きだったり、熱心に応援していたが、現在は熱が冷めている状態のカテゴリです。熱が冷めた理由として、就職・引っ越し・結婚・出産などのライフスタイルの変化や、他にもっと興味のあるものができたといった、明確なマイナス要因があるわけではないものが対象です。
例)
・以前は熱心なファンだったが、現在は活動を追っていない。
・ある程度の情報は持っているが、最近の情報は知らない。

認知層

アイドルについて認識はしているものの、特に関心を持っていないカテゴリです。活動規模が大きいほどこの層が多く、逆に小さい場合には非常に少なくなるのが特徴です。
例)
・名前や顔は知っているが、特別な興味は持っていない。
・周囲の人から話を聞いて会話をすることはできる。

未認知層

アイドルについて認識すらしていないカテゴリです。アイドルの情報を聞いたことはあっても、それが特定のアイドルに結び付くものだと理解していない人たちも含まれます。
例)
・名前も顔も聞いたことがない。
・周囲の人から話を聞いても何のことかわかっていない。

ファンに対してとるべき2つの大きな戦略方針

冒頭の悩み、「ファンに喜んでもらうために色々頑張っているけど…本当にファンに届いているのかな?」を解決するためのヒントはこの5つのカテゴリにあります。技術の発達であらゆるものがパーソナル化された現代において、発信するべきコンテンツや実行する施策は届ける相手の考え方や価値観に合っているものでないと正しく届きません。

あらゆるコンテンツや施策は、このカテゴリに当てはめて考えることで一人一人のファンに正しく届けることができるようになります。それだけでなく、届ける相手を明確にすることができればその目的も明確になってきます。ここからはカテゴリに当てはめて何を目的にどのように届けるべきか?を考えていきましょう。

ファンのエンゲージメントを高める

まずは最初の戦略方針の『ファンのエンゲージメントを高める』ことについて考えます。ここでいうエンゲージメントとは、ファンの好意を高めてより良い関係性を作っていくことを指します。

対象のカテゴリとして、「ロイヤル層」「一般層」を設定します。ロイヤル層を維持しつつ、一般層をロイヤル層へ引き上げることが目的になります。

施策例)
・ファンクラブ会員限定の舞台裏映像や特別インタビュー配信
⇒特別な体験を提供することで、ロイヤル層の満足度と忠誠心を高めます。同時に一般層には一部だけを公開することで、ロイヤル層への参加意欲を刺激することもできます。
・長期会員向けの特典や割引といったメンバーシッププログラム
⇒ファンからの継続的な活動を評価することで、ロイヤル層の維持と一般層のロイヤル化を推進していきます。

ファンを獲得する

もうひとつの戦略方針として『ファンを獲得する』ことについて考えます。ここでいるファンの獲得とは、フラットな状態の人に対して好意を持ってもらうことです。

カテゴリとして、「休眠層」「認知層」「未認知層」を設定します。休眠層・認知層には好意を持たせ、未認知層にはまず知ってもらうことを目的とします。

施策例)
・過去ファン向けコンテンツ配信での再接触キャンペーン
⇒休眠ファンが積極的に活動していたころの過去の思い出を喚起し、現在の状況を伝えることで再び興味を持ってもらい、ファンに復帰してもらうきっかけを作ります。
・他の人気ブランドやキャラクターとコラボした商品の発売
⇒既に人気のあるブランド・キャラクター・インフルエンサーとの協業により、未認知層や認知層の興味を引きつけるような商品を開発します。

各戦略方針に沿った効果測定

効果測定でよくあるミスとして、もともと狙っている成果ではないものを成果指標としてしまっているということがよくあります。対象となるカテゴリと目的を予め整理しておくことで、その施策が成功したのかどうかを測る効果測定もやりやすくなります。

例えば、「無料招待でとりあえず初めての観戦体験をしてもらう」という施策を打ったとします。効果測定として試合会場にいた人に対してアンケートで満足度を聞き取り、評価が悪かったからと言って失敗とは限りません。カテゴリごとに分析してみることで、認知層が「初めて試合を見た」人たちが「また来たいと思う」と回答してくれていれば、その施策は十分成功したと言えるでしょう。

このように、カテゴリとその目的を明確にすることで効果測定の精度が上がります。アンケートで得たフィードバックも、カテゴリごとに整理してみることで新たな発見があるかもしれません。ただ闇雲に施策を打つのではなく、対象と目的を設定することでより意味のある施策になるわけです。

カテゴリに属する人たちを正しく理解する方法

ここまでカテゴリに合わせた発信をしましょうというお話をさせて頂きました。『言うは易し行うは難し』というのが世の常。「各カテゴリにどんな人がいるかなんて、なんとなくのイメージしかわかない」という方が多いかと思います。最後はそのなんとなくのイメージを固めるための具体的な方法についてご紹介します。

ファンへの調査

まずは、ファンの人たちへの調査が大事です。年齢や居住地、普段の生活や家族構成といった基本項目は共通ですが、カテゴリごとに必要となる情報は異なります。以下に特有な項目を一部まとめてみましたので、これらの項目を取得できるように調査をしていきましょう。

ロイヤル層アイドルに対して感じている想い・なぜ好きになったのか・情報発信の内容・ファンククラブに入会した理由・ファン同士の交流方法…etc
一般層アイドルを知ったきっかけ・普段の生活におけるアイドルとの接触頻度・グッズの購入履歴・アイドルのほかに興味関心を持っているもの…etc
休眠層過去の活動頻度・関心が薄れた理由・最後に接触した内容・関心を取り戻す条件・ファンだったころの不満点・ファン同士の交流の継続有無…etc
認知層名前以外に知っている情報・情報に接触した場所・アイドルに対して持っている印象・イベントや商品の価格に対する印象・印象に残っている情報…etc
未認知層普段見ている情報媒体・好きなエンタメ・応援しているアイドル・興味や関心があること・直近で挑戦した新しいこと…etc

調査というとアンケートが一般的に思い浮かぶかと思いますが、こういった場合にはアンケートのような定量調査は適しません。一人一人の価値感や記憶を深堀していくには、定性的なインタビュー調査がおススメです。上記項目の情報を収集しつつ、気になる部分があったら深く聞いてみたり、答える際の仕草や雰囲気を肌で感じることが出来たりするのがインタビュー調査のいいところです。

集めた情報をペルソナにまとめる

続いて、調査で集めた情報をペルソナシートにまとめていきます。ペルソナシートにまとめることで、情報を整理しやすくするだけでなく、関係者全員が回し読みをすることで統一したファン像を共有することができます。

例えば、「次配信しようとしているコンテンツは○○さんに向けたものです」「△△さんはこんなグッズが欲しいんじゃないかな?」といった会話ができるようになるので、より具体的なアイデアを生み出しやすく、関係者間でのコミュニケーション齟齬を防ぐことができます。「○○さんはあんまり競技に詳しくないから、軽くルール説明も入れておこう」といったちょっとした工夫も生まれてきます。

ファンジャーニーマップを作る

ファンとのコミュニケーションアイデアを考える上で、ファンジャーニーマップの作成は非常に大切です。ファンジャーニーマップとは、特定のペルソナが特定の期間でどんな行動をとってきたのか?をまとめたマップです。

例えば、「ファンになってからファンクラブに入会するまで」というファンジャーニーマップを作成するとします。この期間を【認知フェーズ】【興味関心フェーズ】【情報収集フェーズ】…などのフェーズに分け、各フェーズでどんな感情でどんな行動を起こすかをまとめていきます。

これによって、どのフェーズの情報が足りていないかを網羅的に確認することが出来たり、離脱しそうなポイントを先回りで防ぐことができるようになったりします。

ファンプロファイル分析で正しいファン像を理解する

ファンの調査もペルソナの作成もファンジャーニーマップの作成も、運営で作成することは可能です。ただ、非常に労力がかかるプロジェクトであり、頑張って作成してもいざ使うとなると情報が足りていなかった、といった声もお聞きします。

そこで、弊社ではファンプロファイル分析というサービスをご提供しています。ファンへの調査とペルソナシート・ファンジャーニーマップの作成までを一貫してお任せいただくことで、ファンとのコミュニケーションにおける不安や不明確さを解消し、よりファンに届きやすい活動ができるようになります。

長い間ファンクラブ運営の現場に携わってきた経験と、商品開発やデジタルマーケティング分野で培ってきたリサーチ力を組み合わせた、弊社ならではのサポートをご提供します。具体的なご相談やお見積りについてはお気軽にお問合せください。

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