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【基礎知識】プロが教えるマストバイキャンペーンのキホンの”キ”

マストバイキャンペーンとは、消費者が商品やサービスを購入することで参加できるようになるクローズドキャンペーンの一種です。上手に活用することで、認知度のアップだけでなく売り上げの向上にもつながるマストバイキャンペーンですが、今回は初めて実施を考えている方に向けて、その基礎を事例を交えながらわかりやすく解説していきます。

マストバイキャンペーンの基本

オープンキャンペーンとクローズドキャンペーン

キャンペーンは大きく分けて、『オープンキャンペーン』と『クローズドキャンペーン』の2種類に大別されます。ざっくり括ると、オープンキャンペーンは参加条件が緩く誰でも参加ができるキャンペーンで、クローズドキャンペーンは主催側から提示された参加条件を満たさないと参加できないキャンペーンというイメージです。

マストバイキャンペーンは、「マストバイ」の言葉通り、「なにか特定の商品を購入する」という条件を満たすことで参加が可能になるため、『クローズドキャンペーン』に大別されます。

マストバイキャンペーンとは?

マストバイキャンペーンは、商品購入が参加条件となるクローズドキャンペーンの一種です。身近な事例として、ジュースを買うと、ペットボトルに貼られたシールに印刷されたシリアルナンバーを使って懸賞に応募できるようなものがあります。このキャンペーンの特徴は、商品を購入しないと参加できない点にあります。マストバイキャンペーンは日常生活の中で気軽に参加でき、購買に楽しみをプラスする仕組みとして機能するキャンペーンとなっています。

マストバイキャンペーンで採用される応募方法

消費者がマストバイキャンペーンに参加するには、商品を買ったことを証明するための証拠が必要となります。以下はマストバイキャンペーンでよく使われる購入証跡とその集め方の一覧です。

購入証跡応募方法
商品パッケージの一部・切り取って専用はがきに貼り付けて応募
商品貼付のシール・シールをはがして専用はがきに貼り付けて応募
・シールのシリアルナンバーをWebフォームに打ち込んで応募
商品貼付の応募情報・商品に印字したQRコードなどからアクセスしてもらうことで応募
購入時のレシート・レシートを専用はがきに貼り付けて応募
・レシートの写真をWebフォームにアップロードして応募

マストバイキャンペーンのメリット

参加条件が付くので一見損な気もするマストバイキャンペーンですが、もちろんメリットもあります。

メリット①「店頭で商品が購入される」

マストバイキャンペーンは実際に購入を促すというキャンペーン形式なので、認知度の拡大とともに商品が店頭から購入されるというのも大きなポイントです。消費者の行動に沿って考えていきましょう。

まず、消費者は広告やSNSなどで当該マストバイキャンペーンを知り、商品を購入するために店頭に赴くという来店訴求としての力が生まれます。さらに、商品を購入するために商品がある棚の場所を探すため、その商品がどの店のどの棚に置いてあるのかを認識させることができます。そして実際に商品を購入することで売上が上がります。忘れがちですが、棚から商品が抜けるというのもポイントです。特定商品の販売を促進することができるので、過剰在庫の解消や新商品の市場導入を効果的に行えます。

メリット②「レシートの回収」

マストバイキャンペーンに参加するためには購入証跡を主催者に送る必要があります。一般的な方法としてはレシートをWebフォームにアップロードして参加する方法ですね。ここでレシートが集まるという点がポイントです。

バスケット分析というマーケティングリサーチがありますが、これは消費者のレシートの購入品からどういった消費傾向があるかということを調査するものです。消費者の購買パターンを理解したり、商品間の関連性を見出したりすることで販売戦略を最適化することができるようになります。直接的なプロモーションではないですが、購買情報を知ることができるのは貴重なメリットです。

メリット③「UGCが生まれる」

さらに、実際に商品を購入・使用してもらうことでUGC(User Generated Contents)が生まれやすくなるという点もマストバイキャンペーンのメリットの1つです。SNSの利用が当たり前になったこの時代において、口コミのように広がっていくUGCは販促プロモーションに欠かせません。食品であれば「○○の××がおいしかった」、便利グッズであれば「△△の◇◇って商品が意外と便利だった!」といった投稿をしてもらうことで企業の押し付けではない自然なプロモーションが生まれます。

これらのメリットは実際に商品を買ってもらうということに起因するものなので、マストバイキャンペーンを実施する際の大きなメリットと言えるでしょう。マストバイキャンペーンが根強く人気な理由はここにあります。

マストバイキャンペーンの成功事例紹介

ここからは実際にマストバイキャンペーンを実施するイメージを湧きやすくするために、弊社がキャンペーン事務局としてお手伝いしてきたキャンペーンの中での成功事例をご紹介します。どの事例もマストバイキャンペーンの実施に工夫をして効果を出したものになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

事例①「レシートを使ったキャンペーン」

<キャンペーン概要>
おもちゃメーカー様の実施したマストバイキャンペーンです。専用はがきに特定商品の購入レシートを貼り付け、さらにクイズに回答すると抽選で関連商品が当たるという企画を実施しました。おもちゃということでメインの応募者像はお子様を想定されていました。

<具体的なキャンペーン内容>
おもちゃ売り場の商品の近くに専用はがきを設置。Webフォームでの応募受付のほうが作業としてはラクですが、今回はお子様が対象ということでデジタルではなくリアルにこだわりキャンペーンを実施しました。応募者はキャンペーン期間内に商品を店頭で購入し、購入レシートを設置された専用はがきに糊付け。一緒に書かれているクイズに回答を記入して弊社の私書箱あてに投函。レシートをチェックし、「キャンペーン期間内」に「対象商品」を購入して「クイズに正解」しているかをチェックして当選者の抽選処理を行いました。当選者には弊社の倉庫に保管していた関連商品を送付してキャンペーンは終了です。

<キャンペーンの実施効果>
新シリーズの販促目的として実施された本キャンペーンですが、目標となる応募者数を確保することができ、大きなトラブルもなく無事キャンペーン成功となりました。
ちなみに、Webフォームも並行して開設していましたが応募数としてはハガキのほうが圧倒的に多い結果となりました。はがきというと印刷や回収の手間がかかり避けられがちですが、使い方によってははがきのほうが集客効果が高いという学びのある事例となりました。

事例②「シリアルコードを使ったキャンペーン」

<キャンペーン概要>
海外フルーツブランドの流通企業様の実施したマストバイキャンペーンです。スーパーで販売しているフルーツに、応募用のQRコードが印字され、めくるとシリアルコードが現れるキャンペーンシールを張り付けて応募を集める企画を実施。フルーツを買いに来たお客様へ対象フルーツを買って食べて頂くことでファンを作っていくことを目的にされました。

<具体的なキャンペーン内容>
フルーツを購入したお客様はQRコードを読み込み、弊社で準備したWebフォームにアクセス。Webフォームにはシリアルコードを入力することでキャンペーンに応募できる形式となりました。集まった応募をシステムで抽選し、当選者に賞品を発送しました。店頭にはフルーツの魅力を伝えるためのポップも作成して配置し、参加を促しました。

<キャンペーンの実施効果>
普段買っているフルーツブランドの購入スイッチを目指した本事例のマストバイキャンペーン。店頭ポップと、賞品が生産国への海外旅行だったこともあってか、多くの方がキャンペーンに応募してくださいました。ブランドの運営しているSNSも同時に告知することでそちらのアカウントのフォロワー数増加にも貢献することができ、リアルとデジタルを組み合わせた成功事例となります。

事例③「マイレージポイントを使ったキャンペーン」

<キャンペーン概要>
少し番外編ですが、マイレージポイントもマストバイキャンペーンの一種と言えます。このキャンペーンではオンラインストアで購入した会員が専用アプリの中でポイントを貯めていき、一定のポイントを貯めたユーザーが応募できるキャンペーンを実施しました。

<具体的なキャンペーン内容>
キャンペーン期間中に会員専用のオンラインストアで購入した人にポイントが付与。キャンペーン期間終了後に会員情報を弊社で集計し、条件をクリアしている人を抽出して当選処理を実施しました。

<キャンペーンの実施効果>
会員のロイヤリティ向上のために実施した施策として、マイレージポイントの運用はよくありますが、これは今回の事例のようなキャンペーンとも非常に相性が良いです。まず、会員登録を促進する効果があるので会員数の増加効果が期待できます。さらに、「もう少しでキャンペーンに応募できるならあと1,000円くらい追加で買っておくか」と、消費額の後押し効果も見込むことができます。本事例でのマストバイキャンペーンもオンラインストアでの売上高が向上し、施策としては成功となりました。会員基盤をお持ちの企業様はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?

マストバイキャンペーン実施の注意ポイント

マストバイキャンペーンを成功させるためには、いくつかの重要な注意点があります。基本的な注意点を3点ご紹介します。

参加したくなる適切な賞品設定

まず、ターゲットとする消費者層を明確にし、それに合わせた賞品や特典を設定することが重要です。消費者の興味を引くためには、市場調査を行い、消費者の属性やニーズ、トレンドを把握する必要があります。ターゲットのライフスタイルや価値観に合わせた賞品選びに注意しましょう。

さらに、商品やブランドとの関連性も考慮する必要があります。例えば、健康食品のキャンペーンならフィットネス機器、環境に配慮したブランドならエコ製品といったように、自然に受け入れやすい賞品を選ぶようにしましょう。

応募率が上がる応募方法の選択

次に、応募方法の簡便さを確保することで、参加ハードルを下げることが求められます。例えば、応募に必要な情報を最小限にし、スマートフォンからでも手軽に参加できるようにすることが効果的です。とはいえ、先ほどの事例のようにあえてはがきにすることで応募率が上がったりすることもあるので、消費者の行動パターンによって応募方法を柔軟に選ぶことがポイントです。

また、キャンペーンの告知方法も重要です。効果的なプロモーションを行い、消費者の目に留まるようにするためには、SNSやデジタル広告を活用することが推奨されます。店頭ポップなどで対象商品を目立たせたり、キャンペーンの概要を紹介することも効果的です。

景表法の順守

さらに、法的な側面も注意して考慮する必要があります。キャンペーンを実施する際には、景表法(景品表示法)などの関連法規を遵守することが求められます。違法なキャンペーンを行うと、ブランドイメージを損なう可能性があるため、法的アドバイスを受けることも検討すべきです。基本的な部分ですが、最も重要なのでご注意ください。
景表法については消費者庁のガイドラインをご参照ください:
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling

キャンペーン事務局委託で人的負担とコスト削減?

マストバイキャンペーンをはじめとして、キャンペーンの実施は意外と面倒なことも多く、複数の業者に渡って仕事を進める必要があるため負担の大きい業務です。さらに、お客様からの問合せ対応なども始めると担当者の業務がパンパン…とはいえ人を増やすほど長時間続くわけでもないので、今いるメンバーで頑張るしかない…という状況に陥りがちです。キャンペーン事務局とは、キャンペーン実施に関するあらゆる業務をお客様に代わって実行するトータル支援サービスことを指します。

おすすめポイント①「数々の経験に基づくキャンペーン企画のご提案」

弊社では20年以上に渡って大小さまざまな企業様のキャンペーンを実施して参りました。そこで培ってきた数々の成功事例を元に、効果を出すキャンペーン企画というだけでなく、トラブルを起こさないやり方や、担当者の方のご負担が減る工夫もご提案しております。

おすすめポイント②「効果的な応募受付処理の代行」

応募用のWebフォームを立ち上げたり、はがき回収のための私書箱の設置、キャンペーン用のLPの制作なども承っております。数が多いと非常に煩雑になるレシートのチェック⇒抽選⇒当選者対応まで一括で行うこともできるので、お客様の業務負担をグッと抑えることができます。

おすすめポイント③「発送まで一括で柔軟&安全な情報管理」

キャンペーンの実施で賞品の発送業務が最も面倒なパートです。キャンペーンは複数業者が絡む都合上、スケジュールが変わることが良くあります。契約倉庫では基本的に事前に決めたスケジュールで動くしかないですが、弊社では倉庫を自社で保有しているためキャンペーンの状況に合わせて柔軟に動きを変えることが可能。さらに、住所情報という非常に重い個人情報を複数社に共有せずに1社内だけで済むので、そういったセキュリティリスクも最低限に抑えることができます。

もちろん、トータルでご支援することも可能ですし、スポットで賞品の発送のみ、お客様からの問合せ対応のみ、応募の回収のみといった単体での業務代行も可能です。キャンペーン実施をお考えの方はお気軽にご相談ください。