2012年10月アーカイブ

Think Socialでは、このたび、11月21日(水)開催日時が変更になりました。11月27日(火)18:00〜の開催になります)の第1回目の開催を皮切りに、「未来をつくるワークショップシリーズ」というイベントを月1、2回のペースで文字どおりシリーズで開催させていただくことにしました。

大きく社会環境が変化するなか、既存のさまざまなしくみが機能不全に陥る状況で、それに変わる新しいしくみやサービスを生み出していくための「創造性」を養うことは個人においても組織においても非常に重要になってきています。今回のイベントもそうした創造性の育成に何らかの形で協力することはできないか?という思いから立ち上げさせていただきました。

そんな今回のシリーズでは、デザイン思考やゲームストーミングなどの手法を用いながら、未来をつくる方法、イノベーションを生み出す方法を体験的に学んでいただこうと思っております。

20121108e.png

まず第1回目となる11月21日(水)→11月27日(火)の回は【未来の「初対面」をデザインする】というテーマで「行動観察」や「メンタルモデルの作成」「プロトタイピング」などを用いた発想の方法をグループワークを通じて体験いただきます。

「行動観察」で発見した課題をどのようにして具体的なアイデアへと結びつけるか、ありきたりの発想に陥る罠から抜け出して斬新な発想ができるよう視点をリフレーミングするか、さらにそれをプロトタイピングを経ることで、より体験価値の高いアイデアへと昇華させればよいかといったあたりの実践的なヒントをつかんでいただければと思います。

シリーズと銘打ってはいますが、ワークショップ自体は1回完結型ですので、必ずしも連続で参加していただく必要はありません。1回だけでも試しに参加してみようかなという方も歓迎です。

今回は、通常価格お一人様1万5000円のところ、初回限定割引価格 8000円でご利用いただけるようにしました!

詳しくは、以下の内容またはこちらの募集ページをご確認の上、興味のある方はぜひご参加いただければと思います。

よろしくお願いいたします。

「2025年の世界では、インターネットなどのテクノロジーの力により、イノベーションと創造が「マス(大量)」型の活動に変わる。大勢の人がそのプロセスに参加するようになるのだ」

リンダ・グラットン教授による『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』でマス・イノベーションの時代の到来が予告される一文です。

20121023.jpg

ここでの「マス・イノベーション」とは、このブログで「参加型デザイン」とか「コ・クリエーション」と呼んでいる創造の方法がより進化し一般化したものと考えてよいと思います。

グラットン教授は、メディア専門家のクレイ・シャーキーによる人が1日1時間テレビを見る時間を減らせば世界全体で1日90億時間以上生み出されるという「思考の余剰」を人びとが有効に用いるようになることで、「「思考の余剰」を手にした世界中の人びとが毎日何十億時間もの時間を捧げ、互いの専門技能とアイデアを持ち寄って、大きな課題を成し遂げる時代がやってくるのである」と述べています。

多様なものが集まり合って、その集合のなかでそれまで出会うことのなかった異質なもの同士が関わりあうところから新しい何かが立ち上がってくる。異質な文脈同士が1つの集合のなかで重なり合い、別の文脈を生じさせるプロセス。そして、これまでなかった新しい文脈ですでにある素材を見つめ直せば、これまで思いもつかなかった組み合わせが浮かび上がってくる...。

新しい物事を組織的に生み出す環境を準備しようとすれば、そうした多様性をもった異質な者同士が集い、コ・クリエーションするような場をいかに用意するかといったことがまず課題となります。

それは前回の記事「ブレインストーミングを成功させるためには何が必要?」で取り上げた、ほかの人のアイデアを発展させたりしながらとにかくアイデアの量を増やすブレインストーミングでも同じで、数多くの異なるアイデア同士が互いに絡み合うような形がつくれた場合ほど、斬新なアイデアが出てくる可能性が高まります。

そのためには多くのブレインストーミングで使われるポストイットのように、異質なもの同士が集まり、肩を並べることを可能にする共通フォーマットや、「ほかの人のアイデアを発展させる」というルールのように元から異なる要素同士の連携をうながすような約束事も必要となるでしょう。反対に、そうしたルールやフォーマットのような仕組みがないブレストでは、たんに人が集まり、アイデアがいくつか出されるだけで、創造的な結果には結びつかないことが多くなります。

異質な要素がたがいに集まり、その場で関わりあえる場づくり、仕組みづくり。組織的な創造性を高めることを考えるうえでは、このあたりが1つのポイントになりそうです。

何か新しいアイデアがほしいときに何人かで集まってブレインストーミングをやること自体は、もはやビジネスシーンで普通に見かけられるようになった光景ではないかと思います。数人が集まって、それぞれが思いついたアイデアをポストイットに書いて貼っていったり、ホワイトボードに書き出してみたり。アイデアをいろいろ考えること自体は楽しい作業なので、その場は他の業務を行なっているときよりも盛り上がることが多いと思います。

けれど、新しいアイデアが欲しくて行なったブレインストーミングが当初の目的どおりの成果を得られて成功に終わるかというと、その成功率は決して高くはないでしょう。なかなか斬新なアイデアが出てこなくて、ありきたりの答えばかりが集まってしまうというケースも多いと思います。

ブレストを成功させるための要素にはどんなものがあるのでしょうか? そもそも、おもしろいアイデアってどうしたら出せるんでしょうか?

今回は、そんなことをすこし考えてみようと思います。

最近、あらためて「わからない」でいる自分を認めてあげることはとても大切なことだなと感じます。

簡単にわかってしまうのではなく、すこしでもわからないことにこだわってみることが大事。そこから従来誰も認めなかった問題が認識され、そこに社会全体を巻き込むようなイノベーションが生まれる機会があったりするのわけですから。

他人の話を聞く場合でも同じでしょう。話の腰が折れてしまうのを避けようと、不明な点があっても質問するのをためらうのはあまりよくないと思っています。

確かにコミュニケーション効率という観点に立てば、わからないことがあるたびに質問をはさむと、会話の流れが停滞したり、あちこちに逸れてしまったりして、限られた時間のなかで目指すゴールまで辿り着けなかったというケースもあるでしょう。

けれど、一方で、コミュニケーションにおいて効率ばかりが重視されるかというと必ずしもそうでないと思うんです。会話が最初から特定のゴールを目指していて、そこに向かって一直線に進んでいくのが良い会話というわけではないですから。

それにもともと多くの会話がどちらかというと最初からはっきりした特定のゴールを目指すものでもないでしょう。何らかの結論を出すことを目指す場合でも、最初からそれが何かを決めているわけではなく、むしろ会話の中でそれが結論をつくっていく場合も結構あります。その場合は、お互い考えていることが違う相手と衝突やすれ違いをおこしたり、質問などで相手との距離を埋めようとして話の流れが脇道にそれたりしながらも、寄り道できたおかげで、はじめは相手と自分のどちらも考えつかなかったようなアイデアに辿り着いたりというラッキーな結果になったりもします。このブログでたびたび多様性が重要だと書いてきたのとおなじです。

目の前の効率を重視するあまり、話が脇道にそれることや、会話の中で相手と衝突したりするのを必要以上に嫌ってしまい、自分がコントロール可能な道を選んでしまうと、思いもよらぬアイデアへと続く道を見失ってしまうリスクがある。埋もれたチャンスを逃さないためには、へんに「わかったふり」をしてお利口になるより、ちゃんと「わからない」ことを認められる馬鹿になることが必要だなとあらためて感じるのです。

さて、今回はそんな話と関係もある2本のイベントの告知と、ビズジェネで担当させていただいている連載記事「ThinkSocialな時代のビジネスデザイン」の更新のお知らせを以下で。