カスタマージャーニーマッピングを行なう10のステップ

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先日、「エクスペリエンスジャーニーマップ/カスタマージャーニーマップ」という記事で、サービスデザインを行なう上で用いるモデル化のツールとして事例を紹介したカスタマージャーニーマップ

このカスタマージャーニーマップの作成に関して、オランダのサービスデザイン会社DesignThinkersのArne van Oosteromが書いた「Mapping out customer experience excellence: 10 steps to customer journey mapping」がとても参考になると思います。

(参照元:slideshare "DesignThinkers presentation at the Aegon Marketing Conference 2011"のP57より)

今回はその記事に書かれたカスタマージャーニーマッピングを行なう10ステップを簡単に紹介してみようと思います。

1.ステークホルダーの関係をマップ化する

まず最初のステップは、顧客やフロントスタッフ、バックヤードのスタッフなど、サービスに関わる利害関係者をリストアップすることからはじまります。関係者間のインタラクションをマップ化して表現し、サービススタッフなど動きが、顧客の利益にどんな影響を与え、顧客はそれに苦しんでいるかを説明できるようにします。

2.顧客モデル=ペルソナを作る

次のステップでは、顧客モデルとしてのペルソナを用意します。顧客のプロファイルや性格、ビジネス状況やそれに対する期待は何かをユーザーモデルとして作成しておきます。

3.顧客が求める結果は?

3つ目のステップではその前のステップで作成したペルソナがどんな結果を期待しているか、何を達成しようとしているかを明らかにします。

4.顧客の旅のプロセスを明らかに

4つ目のステップは、3つ目のステップで明らかにした「結果」にペルソナがどのようなプロセスを経て辿り着くのかをカスタマージャーニーとして図示する段階です。顧客の旅の段階をリストアップした後に、それを時系列に並べた形に図的に表現します。

5.タッチポイントをあぶり出す

さらにこの顧客の旅の各段階で、顧客が実際にサービスに触れるタッチポイントとなるスタッフや機器が何かを書き加えていきます。顧客とサービスの接点を明らかにする段階です。

6.最も重要な"真実の瞬間"は?

次に顧客がそれぞれのタッチポイントに接した際の重要度を評価し、最も重要な"真実の瞬間"がどの時点化かを判断します。

ちなみに"真実の瞬間"とは、1980年代に徹底的にサービス価値の向上をはかるサービス戦略でSAS(スカンジナビア航空)を成功に導いたヤン・カールソンが用いた言葉です。ヤン・カールソンは、当時SASでは年間1000万人の旅客が、それぞれほぼ5人のスカンジナビア航空の従業員に接し、その1回の応接時間の平均が15秒であったことから、1年間に5000万回ある15秒の瞬間こそが顧客にスカンジナビア航空が最良の選択だったと納得させるための"真実の瞬間"だったとしてサービス戦略を推し進めて成功したことから、"真実の瞬間"というキーワードはサービスマネジメントやサービスデザインの分野では使われるようになっています。

7.サービスデリバリーの責任者を明らかに

次のステップでは、各タッチポイントで顧客にサービスを提供する直接の担当者が誰かを明記しておきます。そうすることで、例えば顧客をイライラさせる待ち時間の要因が、同じ人がサービスプロセスに何度も登場していてボトルネックになってしまっていることに気付けたりもするからです。

8.旅の途上の感情の浮き沈みを描く

ここまでのステップで、顧客の旅の途上でのタッチポイントやそこでのインタラクション、あるいはサービスを実際に行なう担当者の関係性が図示されているはずです。次に行なうのは、その旅の途上で顧客の感情がどのように変化するか、ポジティブとネガティブのあいだをどう動くかを評価することです。

エクスペリエンスジャーニーマップ/カスタマージャーニーマップ」のなかで、ニューヨーク近代美術館(MoMA)を訪れる人の流れを描いた"Going to the MOMA"という下図のような手書きのカスタマージャーニーマップを紹介しましたが、まさにこの図の一番下に描かれた折れ線のラインが顧客の「感情的な旅」を示したものです。

moma.jpeg

(参照元:Task 3 : Sue Design4

記事の最初に紹介した写真では、"Emotional Journey"のところに青や緑のポストイットが貼られていて、顧客の感情がポジティブなどのか、ニュートラルなのか、それともネガティブなのかを表現しています。

9.設計図としてのブループリントに落とし込む

さらにカスタマージャーニーマッピングを作成しながらサービスデザインを行なったあとは、実際にそこで考えられ決定されたことが、実際にサービスを提供する人びとの支援となるように、フロントスタッフ、バックエンドのスタッフ、サービスのインフラとなるシステムの関係性を描いたサービスブループリントを作図します。ようするにデザインしたサービスの形を定着させるための設計図を描くのです。

サービスブループリントに関しては「サービスブループリントを用いたWebユーザビリティ評価」という記事でも扱っていますのでそちらを参照ください。

10.新しい顧客の旅のアイデアが生まれる場づくりが大事

10番目はステップというより、ここまでのステップで顧客にとって理想的な新しい旅やサービス体験を生み出すためには、ブレーンストーミングなどの創造力を発揮するための技術が必要だということでしょう。カスタマージャーニーマップの作成を行なうワークショップに参加したメンバーが、その創造的なプロセスに参加すること自体を楽しむことができ、それによってより創造力や情熱が駆り立てられる状態を作るファシリテーションが欠かせないということです。経験的にも、ここを重視して場を準備しないと、なかなか創造力あふれるアイデアは出てこないので、とても納得です。

おまけ Think SocialのTwitterアカウントも作りました。

以上がカスタマージャーニーマッピングを行なう際の10のステップです。最後に、実際にカスタマージャーニーマッピングを作成する作業を行っている写真(この記事の冒頭の写真も含む)なども掲載された、DesignThinkersのスライドを紹介しておきます。

そして、さらにおまけ。

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