1つのモノであっても、それを扱う際のやり方には複数の選択肢があったりします。
針の穴に糸を通すのでも、針に対してこちら側からあちら側に通す人もいるかもしれませんし、針の向こう側から手前に向かって糸を通す人もいるのではないでしょうか。
そして、多くの人が、自分のいつものやり方が普通であって、そうではないやり方を異常であるとか、やりにくい方法であると考えてしまう傾向があります。

例えば、医薬品に関する調査などを行なうと、よくあるプラスチックとアルミでできたシートから薬の錠剤を取り出す場面でも、その取り出し方は人によって異なり、大きく分けると次のような2つのタイプがいることに気づきます。
- 透明なプラスチックごしに中の錠剤がみえる側を上に向けて、親指で押し出して、下に落ちてくる薬をもう片方の手で拾うタイプの人
- 反対にアルミの側を上に向け、プラスチックの側を下に向けて人差し指などで錠剤を押し上げて出すタイプ
さて、みなさんはどちらのタイプでしょうか?
この例でも、いずれのタイプの人も自分が普段やっている出し方が普通だと考え、自分がやっていないもう一方の薬の取り出し方があるのを知ると、その取り出し方に違和感を感じます。さらにこの例で面白いのは、いずれのタイプの人も自分が普段やっていない方の薬の取り出し方では「薬が落ちてしまいそう」と感じることです。
普段、錠剤を押し上げて出している人にとっては、下に薬を押し出すのは薬が出てくるところが見えないので落としそうに感じるし、逆に下に押し出す人にとっては、シートの上で薬が転がってしまいそうで落としそうだと感じるのです。









