エクスペリエンスジャーニーマップ/カスタマージャーニーマップ

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前回の「サービスブループリントを用いたWebユーザビリティ評価」では、サービスを体験する利用者とタッチポイントの間でのインタラクションをモデル化するツールとして、サービスブループリントという手法を紹介しました。

サービスデザイン&エクスペリエンスデザインの分野で同様の目的で使われるツールにもう1つ、エクスペリエンスジャーニーマップ(またはカスタマージャーニーマップ)と呼ばれる手法があるので、今日はそのツールについて紹介してみようと思います。

エクスペリエンスジャーニーマップ/カスタマージャーニーマップ

エクスペリエンスジャーニーマップ(またはカスタマージャーニーマップ)は、顧客がサービスを利用する際、そのプロセスの様々な段階での顧客のニーズそれを満たすための必要なインタラクション、そのインタラクションを受けた際の顧客の感情の状態を、サービス利用時の流れに沿って視覚的に表現するモデル化ツールです。

SERVICE DESIGN TOOLS によれば、古くから使われているサービスデザインのためのダイアグラムであるサービスブループリントと同様にユーザーとサービス提供側のやりとりをステップごとに視覚化する点では同じであるものの、インタラクションとその結果としての利用者の感情面などのいくつかの点を強調し、代わりに別の点を省略/簡略化することがあるとされています。それによって、よりサービス利用時のユーザーを取り巻く環境をより分かりやすく理解できるように主眼が置かれているのでしょう。

また、サービスブループリントではある程度、マップを構成する要素は決まっているものの、エクスペリエンスジャーニーマップでは作成者により、どこを強調しどこを省略するかの自由度は高く、あとで紹介する事例をみてもテンプレート的なものはないと考えてよいと思います。ただ、以下の点はどのマップも共通して押さえているように思います。

  • サービス利用時の流れに沿って、サービス利用者がどのようなサービスを受け、どのように感じるかという点を中心に利用体験をマップ上にプロットする
  • タイムラインには、ユーザーとサービス提供側のやりとりが行われる具体的なタッチポイントを明記する
  • 各タッチポイントでのインタラクションを具体的に記述する

エクスペリエンスジャーニーマップの事例

こうした説明だけでは具体的なマップのイメージがわきづらいと思いますので、以下では、エクスペリエンスジャーニーマップでは具体的にどのような視覚表現を行うかを事例を紹介していくことにします。

Rail Europe experience map

ヨーロッパ全土の鉄道チケットやパスを予約するために旅行代理店を利用する北米の旅行者の行動の流れを描いたマップ。

raileurope

(参照元:The Anatomy of an Experience Map - Adaptive Path

Going to the MOMA

ニューヨーク近代美術館(MoMA)を訪れる人の流れを描いたマップ。一番下に利用者の感情がポジティブ/ネガティブのいずれに触れているかを表現したグラフが示されているのが特徴的です。利用体験の流れを把握することが目的ですので、こんな手書きのマップもありです。

moma.jpeg

(参照元:Task 3 : Sue Design4

Starbucks Experience Map

利用者がスターバックスのショップの入口を入る前からお店を後にするまでの流れを記述しています。

starbucks.png

(参照元:Starbucks Experience Map - Little Springs Design(PDF)

ComcastのゲームサイトのためのExperience Map

ゲーマーが購買決定を行うために複数のチャネル間でどのように情報を収集しながら認知、購入、共有する一連の流れをモデル化。下記は、3タイプの異なるセグメントのゲーマーごとにモデル化を行ったうちの1例。

comcast

(参照元:Experience Maps: Understanding Cross-Channel Experiences For Gamers

国際線利用者のエクスペリエンスジャーニーマップ

空港で乗客が飛行機に乗るまでの流れをマッピングした例。他のものとは異なり流れを円形で表現しています。

(参照元:Using customer touchpoints to improve the customer experience

上記の4つの例を見て、あらためてご理解いただけたと思いますが、エクスペリエンスジャーニーマップは決まった表現の仕方があって、それに従ってサービスの流れのなかで必要になる要素をあてはめていくというものではありません。それよりも、あくまで見た目にわかりやすく利用者の視点でサービスの流れを明確にすることで、より顧客満足度の高いサービスの"形"を考えることに主眼を置いて、サービス全体のデザインを考えるツールなのです。

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