サービスブループリントを用いたWebユーザビリティ評価

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Webサイトのユーザビリティを評価する手法として知られるものの1つに、ヒューリスティック評価法があります。1990年にJakob NielsenとRolf Molichが開発したユーザビリティの問題点を指摘する手法で、ユーザーインターフェイスの設計に関する専門家が経験則と直感、洞察を駆使して、デザイン上のユーザビリティに関わる問題点を発見する方法です。日本でも2000年を過ぎた頃より様々なシステムのユーザーインターフェイスやWebサイトのユーザビリティの評価のために用いられてきました。

比較的、短期間、低コストで効率的にUIの問題点を抽出するのに有効であると言われ、重宝されるヒューリスティック評価法ですが、弱点もあります。というのも、ヒューリスティック評価法は、ある程度網羅的にデザイン上の問題点をピックアップすることができる代わりに、問題の重要度をユーザー視点にたって決定することがむずかしいのです。そのため、デザインに関わるメンバー間で評価の結果に基づき、どこをどう改善するかを議論をする場合に、改善ポイントの優先度がつけにくいという問題が生じやすいのです。

顧客の利用プロセスを把握した上で体験価値に影響を与えるデザインの評価を行う

1つの解決策は、ユーザーテストと併用することです。ヒューリスティック評価でデザイン上の問題点をある程度網羅的にピックアップした上で、改善の優先度がつけられない問題点を中心に、その箇所を利用するタスクを含んだユーザーテストを実施するのです。テストを実施することで、実際にユーザーが評価対象となるWebを利用する際には、どの点でより間違いやすいのか、よりユーザーをイライラさせるのかを理解することで、改善箇所の優先度の判断行うのです。

ただ、実際のデザインプロセスにおいては、そう何度もユーザーテストを繰り返すことができないケースもあります。そうした場合のもう1つの解決策としては、ユーザーのサービス利用プロセスをしっかりと想定した上でヒューリスティック評価を行う方法が考えられます。

弊社で本日サービスリリースさせていただいた「 Webユーザビリティ診断(専門家によるヒューリスティック評価)」も、そうしたアプローチを取り入れたWebユーザビリティの診断サービスです。サービスデザインの分野で用いるサービスブループリント(Service Blueprint)と呼ばれるモデリング手法を用いて、ユーザーのサービス利用プロセスとサービスのタッチポイントとなるWebサイトの関係を明らかにした上で、Webサイトを通じて体験されるサービス利用価値に大きな影響を与えている問題を抽出するのです。

「 Webユーザビリティ診断(専門家によるヒューリスティック評価)」に関しては以下のリンク先のサービス紹介ページをご覧いただくとして、以下では、サービスブループリントという顧客とサービスの間のインタラクションをプロセスごとに整理するためのモデル化の手法についてすこし紹介することにします。

Webユーザビリティ診断(専門家によるヒューリスティック評価)

サービスブループリント(Service Blueprint)

サービスブループリントは、サービスデザインのサービスモデリングの手法の1つとして用いられるツールで、顧客がサービスを利用するプロセスに従い、顧客の行うアクション、具体的なタッチポイント、顧客に相対するスタッフの行動、顧客とは接点をもたないサービス担当スタッフの行動、サービスを支援するシステムや関連スタッフの動きの関係を記述します。

下記のように図式化しながら、顧客のサービス利用プロセスに応じて必要となるインタラクションの内容を明らかにします。

サービスブループリントのより具体的な使い方に関しては、オランダのサービスデザイン会社 31VOLTS が以下のような資料を公開していますので、こちらを参照にしていただいた法がイメージしやすいかと思います。

サービスブループリントを用いたWebユーザビリティ評価

こうしたユーザーとサービスのインタラクションを記述したブループリントは、ユーザーの利用行動パターンが異なるのであれば、想定されるペルソナごとに作成する必要があります。どのペルソナがどういうプロセス(どういう手順でどのタッチポイントに触れるか、など)を明確にした上で、Webのユーザビリティの評価を行うことで、ヒューリスティック評価法だけではむずかしかったデザイン上の問題点の重要度を判断することもできるようになります。

一般的なブループリントはWeb以外のサービスにも活用されるものなので「顧客と直接接するサービス担当者の行動」が記述されています。ただ、ユーザーとの対面がないWebのみで完結するサービスの場合であっても「顧客と直接接するサービス担当者の行動」が省かれるだけで、それ以下のスタッフやシステムの動きが存在しないということはなく、もちろん、こうした要素もWebサービスの利用体験には影響を与える可能性があります。顧客のサービス利用体験というトータルな視点でのユーザビリティを評価しようとすれば、こうした顧客からは見えないインタラクションも視野に入れた上で評価を行わなう必要があるでしょう。

本日リリースさせていただいた「 Webユーザビリティ診断(専門家によるヒューリスティック評価)」は、そうしたユーザーの「サービス利用体験」をトータルに捉えた上でのユーザビリティの問題点を診断し、改善の方向性を明らかにできるサービスとなっております。ご興味のある方はまずはお気軽にご相談ください。

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