2011年11月アーカイブ

ますます多様な表現が可能になったインタラクティブなシステムや製品をデザインする上で、実際の利用シーンで生じるはずの、ユーザーとモノとのインタラクションにともない刻々と変化していくユーザーのメンタルモデルを適切に把握する技術やそれを用いるスキルの取得の重要度は増してきています。

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人は未知の状況において行動を起こす際、必ず「こうしたらこうなるはずだ」という予測を立てた上で自身の行動を選択します。簡単にいうと、この「こうしたらこうなるはず」というイメージがメンタルモデルです。未知のモノを使う際にも「このボタンを押すとこうなるのでは?」といったように何らかの操作方法に関するメンタルモデルをイメージした上で操作してみるわけです。

このとき、メンタルモデルと実装モデルが一致していれば、ユーザーは自分の思ったとおりの結果を得ることができます。しかし、反対にメンタルモデルと実装モデルにギャップがあった場合、使い方を間違えていて思ったとおりの結果が得られなかったり、なんとか使えた場合でも使っていてイライラするなどの不満を感じたりします。もっとひどい場合はそもそも思っていた用途で使うモノではなかったなんてこともありえます。いわゆるユーザーテストを行なう目的は、このメンタルモデルと実装モデルのギャップをデザインプロセスのできるだけ早い段階で明らかにすることです。

ユーザーのメンタルモデルを適切に把握する技術の必要性が増してきているのは、こうしたメンタルモデルと実装モデルのギャップからユーザビリティやユーザーエクスペリエンス上の問題が生じるケースが非常に多くなってきているからです。物理的なキーから解放されたインターフェイスや、センサー技術を駆使して状況にあわせたフィードバックを返せたりといったインタラクションデザインの自由度が増したからこそ、メンタルモデルと実装モデルのギャップが生じる可能性も高くなっているのです。