顧客やサービス提供スタッフなど、様々なステークホルダーを巻き込んだ形で進めるサービスデザインのプロジェクトでは、いかにメンバー間で「見えないサービス」のイメージを共有するかがキーとなり、そのため視覚表現を駆使してサービスアイデアのイメージを伝えあうことが大事だということは、前回の「ヘルスケアサービスの事例にみるコデザインにおける視覚表現の重要性」のなかで実際のプロジェクトの事例をみながら紹介しました。

ただ、前回の記事のUPMCのサービスデザインの事例ではスケッチという初歩的な視覚表現のみの紹介でしたが、実際のサービスはスケッチに描かれた画像のように静止しておらず、常に動き、変化するものです。そうした動きや変化のあるサービスのイメージを共有するためには、プロトタイプを使ってシミュレーションする手法も必要になります。

今回はそうしたプロトタイプを使ってサービスのシミュレーションをする手法を使った例を動画で紹介しようと思います。

形の見えないサービスをどうメンバー間で共通認識を形成しながらデザインするか?

サービスデザインを行なう上で工夫が必要なのは、いかにして見えないものを見えるようにしてデザインに関わるメンバー間で共有するかという点です。

視覚化することでコラボレーションを可能にし、コラボレーションを成立させることで革新的なアイデアの創出を目指すのがデザイン思考というアプローチですが、サービスデザインを行なう上では「描きながら考える」、「作りながら考える」というデザイン思考の方法論ほど、ぴったりなものはないかもしれません。

革新的なアイデアを創出し、そのアイデアをプロジェクトメンバーだけでなく、その他のステークホルダーにも共有しながら現実のサービスに落とし込んでいく。そうしたサービスデザインのプロセスを動かしていくための核となるものが、デザイン思考をベースにした、様々なメンバーのコラボレーションによるコデザインのメソッドであり、それを可能にする視覚表現なのだと思います。

今回はそうした視覚表現を用いながらコデザインの形でサービスデザインを行う流れを事例を見ながら紹介していくことにします。

海外でのサービス&エクスペリエンスデザイン分野の事例を見ていると、気付くのはアメリカでは商用サービスのデザインがほとんどを示しているのに対して、ヨーロッパでは公共サービスの占める比重も高いということです。地域コミュニティにおける健康や医療の問題などを扱ったケースも少なくなく、より社会性の高い課題をデザインによって解決しようというソーシャルイノベーションの視点が含まれた事例が多く見られます。

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一方、アメリカの事例でも公共サービスではありませんが、「医療/健康のサービス&エクスペリエンスデザイン事例」という記事で紹介したような薬局のサービスデザインや病院を対象にしたサービスデザインの事例は数多く見られ、医療やヘルスケアの分野がサービスデザインの1つの主要な領域になっていることがわかります。

日本においても、今後ますます高齢化が進んでいくにつれ、医療や健康に関する課題はより深刻なものになっていくことが予測されます。そうした社会的課題の解決に向けた取り組みとしても、デザイン思考をベースとしたサービス&エクスペリエンスデザインの必要性って今後増してくるのではないかと考えています。

先日、「エクスペリエンスジャーニーマップ/カスタマージャーニーマップ」という記事で、サービスデザインを行なう上で用いるモデル化のツールとして事例を紹介したカスタマージャーニーマップ

このカスタマージャーニーマップの作成に関して、オランダのサービスデザイン会社DesignThinkersのArne van Oosteromが書いた「Mapping out customer experience excellence: 10 steps to customer journey mapping」がとても参考になると思います。

(参照元:slideshare "DesignThinkers presentation at the Aegon Marketing Conference 2011"のP57より)

今回はその記事に書かれたカスタマージャーニーマッピングを行なう10ステップを簡単に紹介してみようと思います。

最近、このブログではサービス&エクスペリエンスデザインについての取り上げた記事を書いています。

ただ、日本ではまだあまり馴染みがない分野ではありますので、正直、サービス&エクスペリエンスデザインって何?という方もいるのではないでしょうか。

そんな方のために、今回はサービス&エクスペリエンスデザインとは何か?を知るためにおすすめの動画をいくつか紹介してみようと思います。

これまで私たちは、医薬品のパッケージや医療用ソフトウェアなど医療/健康に関するデザインを通じた問題解決のお手伝いをさせていただきました。

プロジェクトをお手伝いさせていただく際、私たちはまず実際の医療現場で、患者さんの様子や病院でお医者さん、看護師、薬剤師さんたちの作業を観察させてもらったり、その後にお話を伺ったりする民族誌的調査(エスノグラフィー)を行なってきました。

Webサイトのコラム「エスノグラフィーと体験のデザイン」でも書きましたが、調剤ミスを削減したり、効率的な調剤作業を行えるようにするなどの課題をもった医薬品パッケージのデザインを行なう場合でも、実際に薬を扱う人びとがどんな状況でどんな不満や期待を抱きながら薬に触れているかを把握した上で、具体的なデザインのアイデアを考えています。現場での課題を理解した上で行なう改善は、調剤ミスを防ぐために薬剤ごとの識別がしやいようパッケージのデザインを変えるといった表面的な課題解決以上のアイデアをもたらしてくれます。

参考記事:コプロシステム・コラム「エスノグラフィーと体験のデザイン

ただ、それでも現場の課題を理解すると、個別の商品やシステムの改善だけでは満たしきれない、利用者の体験という観点からより統合された解決策の検討が必要な問題があることにも気付きます。

特に、これからより高齢化した社会に向かうなかで、病院や薬局をはじめ、医療や健康に関わるサービスの場は単純に病気を治したり薬を出したりというだけでなく、勤めを引退した人びとにとっての会社に代わるコミュニティ的な役割の一部も引き受け、心の面でも健康のケアの助けになる必要も増してくるものではないかと思います。それには社会におけるコミュニティの場という視点で、医療や健康のサービスの場をリデザインする動きが求められているのではないでしょうか。

今回は、そんな観点から海外における医療/健康に関するサービス&エクスペリエンスデザインの事例を3つほど紹介してみようと思います。

さて、昨日は、自分たちの課題を自分たちで見つけて解決していくサステナブルな場づくりを支援する「参加のデザイン」を標榜する「Think Social -Experience Design Agent-」をスタートさせていただきましたが、皆さん、Facebookページに「いいね!」していただけましたでしょうか?

まだの方、ぜひ以下より「いいね!」していただいたあと、先を読み進めてください(笑)。

そんな「参加のデザイン」ともすこし離れたところでつながっている話だと思いますが、今回は、変わる読書体験と「参加のデザイン」の関係について書いてみようと思います。

本日、Think Socialという名前で新しいFacebookページをスタートしました。

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Think Social Facebookページ

上記のFacebookページでは、当ブログでも最近取り上げているサービスデザインやコミュニティデザイン、エクスペリエンスデザインなどに関する最新情報、イベント情報をお届けしていければと思います。あわせて当ブログやブログ「Tips*Blog」(Web・モバイルに関するデザイン事例や役に立つTipsを配信)の更新情報もお届けいたしますので、よろしければ「いいね!」していただけると幸いです。

また、それにあわせて、こちらのブログの名前も「Think Social Blog」に変更しています。

「何を作るのか?」の前に「何故作るのか?」の議論が必要であるということは、さまざまなモノやシステムの制作/開発の領域では口にされ、耳にする話だと思います。「何故?」が先に議論されないまま、とにかく「作る」ことそのものが目的になって走ってしまったがために、結果として作っても誰も使わない/買ってくれないというモノやシステムがこれまでどれほど生み出されてきたことでしょう。

ただ、それは由々しき問題だと気付いて「何を?」の前に「何故?」の検討をしはじめた人も、結局、落としどころは「何かを作ること」であると勘違いしたままでは、誰も使わない/買ってくれないという状況は変わりません。先に「何故?」を議論する素振りをみせたとしても、最初から何かを作ることが目標に置かれた状態のままでは、まともに「何故?」の議論はできないからです。

根拠がまったく問われることのないままに、課題の解決方法として「ものづくり」を前提にしてしまう姿勢では、社会の課題解決の面でも、経済成長の面でも、有効な解決策を生み出せなくなってしまっているというのが現在の状況ではないかと思ったりします。その意味では、いまこそ「ものづくり」を無根拠に前提にしてしまわずに、つまり、課題を解決してくれるものがモノだと決め込まずに、まずはよりフラットな姿勢で自分たちが解決を必要としている課題は何か?を議論する場がより多く必要になってきているのではないかと思うのです。

今回のテーマは共創(Co-design、Co-production)です。

これからの参加型の経済モデル下の社会において、「共創」は、新しいデザインのアプローチとして、ワークスタイルやライフスタイルの基盤となるものとして、その必要性が加速度をつけながら増してきているのではないかと感じています(参加型経済モデルについては「デザイン思考と参加型社会」を参照)。

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私がここで話題にしようとしている「共創(Co-design、Co-production)」のイメージは、1960〜70年代の北欧での活動が起点となった参加型デザインと呼ばれるデザイン手法とはすこし違います。

いわゆる参加型デザインは、エンドユーザーがデザインのプロセスに積極的に参加し、デザインされる商品やソフトウェアが自分たち自身のニーズに合っているか、使いやすいものかどうかを確認できるよう専門家が手助けを行ないながらデザインを進める手法なのですが、今回話題にする"共創"のアプローチはそれとは共通点も相違点もあります。

  • 共通点:利用者がデザインプロセスに積極的に参加する
  • 相違点:デザインのアウトプットがモノではなく、活動の場である

その意味で"共創"は参加型のデザインの進化系ともいえるものかもしれません。私がここでイメージしている"共創"は、デザインの過程にユーザーが参加することだけでなく、何より利用者が抱える課題をサステナブルに解決し続けられる活動の場をつくるという"参加"そのもののデザインです。

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