はやいもので2013年という新しい年を迎えて、もう9日目になりました。つい新年のご挨拶もせずに日にちが経ってしまいました。

さて、突然ですが、当Think Social Blogは本日1月9日を持ちまして更新を終了させていただくことになりました。

ここまで読んでいただいた皆様に、こちらで情報発信ができなくなるのは残念ですが、ご理解いただければと思います。

私、棚橋からのブログ記事の更新を通じた情報発信は、個人ブログ DESIGN IT! w/LOVE のほうで引き続き行っていきますので、こちらをお読みになってくださっていただいた皆様、ぜひ個人ブログのほうでも引き続きお読みいただけると幸いです。

それでは今日まで当Think Social Blogをご愛顧いただき、誠にありがとうございました。これからもまた別の機会で引き続き、よろしくお願いいたします。

先進国の経済はサービス志向に大きく傾いています。

私たちにご相談いただくお話も、以前は新商品の開発のお話が多かったのですが、ここ最近は新しいサービスの開発のお話が増えてきているように感じています。

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その背景を理解するのに、ヘンリー・チェスブロウの『オープン・サービス・イノベーション』は参考になります。

オープン・イノベーションの父と呼ばれるヘンリー・チェスブロウはその著書のなかで、現在、先進国の大部分の企業が「コモディティ・トラップ(コモディティ化の罠)」に陥っていると指摘しています。グローバル化したビジネス環境で「製造拠点が世界中の低コスト地域に広がって、価格を下げるコモディティ化のプレッシャー」が企業の競争環境を一段と激しくしていると同時に、インターネットの普及やテクノロジーの進歩などが要因となってますます製品寿命が短くなる傾向が組み合わさることで、企業はコモディティ・トラップにはまってしまうのだというのです。

とうぜん、企業はこのコモディティ・トラップから逃れようとイノベーションの速度を早めようとします。けれど、その様は「スポーツジムにあるトレーニングマシーンのトレッドミル(ランニングマシン)のようなものだ」と著者はいいます。走り続けないと、マシンから脱落してしまうからです。

このようなプレッシャーが、企業の域を超えて、世界中の先進国の経済発展にとって大きな障害となっている。中国やインドが世界経済を牽引し、世界各地でアウトソーシングが増大し、コモディティ化がつづいている現状で、私たちの子孫は高収入を得られるような職に就くことができるのだろうか? コモディティ化された製品を販売するような企業で構成される経済では、社会は繁栄せず、国民の利益や繁栄を台無しにすることになるのではないか。

こうした状況において、成長への解決策をみつけるためのキーとなるのが、サービス分野でのイノベーションにより、企業に大きな競争優位性をもたらす方法の確立であると著者は言っています。

その方法として企業がとるべき戦略が、その著書で解説される「オープン・サービス・イノベーション」です。

下記でお知らせさせていただいたワークショップは、残念ながら最低催行人数に満たなかったため、開催を中止させていただきました。

未来をつくる方法である、デザイン思考を体験的に学ぶ「未来をつくるワークショップ」シリーズの第2回目を、12月11日(火)に開催させていただきます。

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一昨日の27日に行なった第1回目では【未来の「初対面」をデザインする】をテーマに「行動観察」や「メンタルモデルの作成」「プロトタイピング」といった方法を用いて未来をデザインするための発想の方法を体験いただきましたが、今回は「ゲームストーミング」のいくつかの手法を用いながら、常識にとらわれない発想を生み出すために、いかに自分たち自身の思考を自由にしていけばよいかをグループワークでの作業を通じて学んでいただける機会として企画しました。

なにか新しいものを生み出す際の一番の障害となるのは、いつでも自分たち自身の常識や思い込みで、新しい未来をつくるイノベーションを創出するためには、いかに常識や思い込みから自分たちの発想を自由にできるかがポイントになります。そのとき役立つのがゲームストーミングを使って、物事の見方を変えたり、リフレーミングしたりすることです。

今回は、複数のゲームストーミングの手法を適切に使いながら、アイデアを拡散し、ブラッシュアップし・具現化していく過程を経ることで、常識の束縛から解放された自由な発想が展開されていくプロセスをぜひ体験いただければと思います。

詳しくは、以下の開催要項をご確認の上、こちらの参加者募集ページより参加お申し込みください。

11月20日にロフトワークさんの主催で行なわれたセミナー「[ケーススタディ]オムロンヘルスケア社はなぜイノベーションを起こせたのか?」の第1部で「新しい体験を生み出す方法としてのコ・クリエーション」というタイトルでお話させていただきました。

そのときの講演資料をSlideshareにアップしましたので、ここでもシェアさせていただきます。

11月1日にOpenCUの主催で「コ・クリエーションする未来 〜「共同デザインの面白さ」を体感するワークショップ〜」というワークショップの講師をつとめさせていただきました。

▲ ワークショップでの2人1組での相互インタビューの様子

今回は、そのときに使った講演資料を公開させていただきます。

当日は、この資料をもとにした講演を20分強させていただいたあと、インタビュー〜アイデアスケッチ〜プロトタイピングと続く、デザイン思考を使ったアイデア創出体験をしていただきました。40名弱の参加者に集まっていただいたので、なかなか個別にアドバイスすることはむずかしかったですが、楽しんでいただけたのではないかと思います。

ご興味のある方は、同じような内容をすこし時間も人数も余裕をもった形で行なうワークショップを12月1日に、今度は僕個人の主催で行ないますのでぜひご参加ください。

→ 【参加者募集】第2回プロトタイピング・ワークショップ ~つくることで発想を転換する~

最近、あらためて組織などの枠を超えた形で行なうオープン・イノベーションの必要性とその実践方法について考える機会が増えてきています。

11月20日(火)にロフトワークさんの主催で行なわれるイベント「オムロンヘルスケア社はなぜイノベーションを起こせたのか?」のイントロダクションでの短い講演でも、そんなお話をしようかなと思っているのですが、とにかく大きく社会が変化している今の時代にあって、機能不全を起こしている従来型の社会OSに変わる、新しいOSをオープン・イノベーションの形でデザインし実用可能なものにしていくことが急務であるように感じます。

ただ、その場合、従来型OSに最適化された組織の枠に閉じこもった形では新たなOS開発の実行はむずかしく、組織の枠組みを超えてコ・デザインの形で進めるオープン・イノベーションによって、新たなOSの模索=プロトタイピングを行っていく必要があると思うのです。

Think Socialでは、このたび、11月21日(水)開催日時が変更になりました。11月27日(火)18:00〜の開催になります)の第1回目の開催を皮切りに、「未来をつくるワークショップシリーズ」というイベントを月1、2回のペースで文字どおりシリーズで開催させていただくことにしました。

大きく社会環境が変化するなか、既存のさまざまなしくみが機能不全に陥る状況で、それに変わる新しいしくみやサービスを生み出していくための「創造性」を養うことは個人においても組織においても非常に重要になってきています。今回のイベントもそうした創造性の育成に何らかの形で協力することはできないか?という思いから立ち上げさせていただきました。

そんな今回のシリーズでは、デザイン思考やゲームストーミングなどの手法を用いながら、未来をつくる方法、イノベーションを生み出す方法を体験的に学んでいただこうと思っております。

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まず第1回目となる11月21日(水)→11月27日(火)の回は【未来の「初対面」をデザインする】というテーマで「行動観察」や「メンタルモデルの作成」「プロトタイピング」などを用いた発想の方法をグループワークを通じて体験いただきます。

「行動観察」で発見した課題をどのようにして具体的なアイデアへと結びつけるか、ありきたりの発想に陥る罠から抜け出して斬新な発想ができるよう視点をリフレーミングするか、さらにそれをプロトタイピングを経ることで、より体験価値の高いアイデアへと昇華させればよいかといったあたりの実践的なヒントをつかんでいただければと思います。

シリーズと銘打ってはいますが、ワークショップ自体は1回完結型ですので、必ずしも連続で参加していただく必要はありません。1回だけでも試しに参加してみようかなという方も歓迎です。

今回は、通常価格お一人様1万5000円のところ、初回限定割引価格 8000円でご利用いただけるようにしました!

詳しくは、以下の内容またはこちらの募集ページをご確認の上、興味のある方はぜひご参加いただければと思います。

よろしくお願いいたします。

「2025年の世界では、インターネットなどのテクノロジーの力により、イノベーションと創造が「マス(大量)」型の活動に変わる。大勢の人がそのプロセスに参加するようになるのだ」

リンダ・グラットン教授による『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』でマス・イノベーションの時代の到来が予告される一文です。

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ここでの「マス・イノベーション」とは、このブログで「参加型デザイン」とか「コ・クリエーション」と呼んでいる創造の方法がより進化し一般化したものと考えてよいと思います。

グラットン教授は、メディア専門家のクレイ・シャーキーによる人が1日1時間テレビを見る時間を減らせば世界全体で1日90億時間以上生み出されるという「思考の余剰」を人びとが有効に用いるようになることで、「「思考の余剰」を手にした世界中の人びとが毎日何十億時間もの時間を捧げ、互いの専門技能とアイデアを持ち寄って、大きな課題を成し遂げる時代がやってくるのである」と述べています。

多様なものが集まり合って、その集合のなかでそれまで出会うことのなかった異質なもの同士が関わりあうところから新しい何かが立ち上がってくる。異質な文脈同士が1つの集合のなかで重なり合い、別の文脈を生じさせるプロセス。そして、これまでなかった新しい文脈ですでにある素材を見つめ直せば、これまで思いもつかなかった組み合わせが浮かび上がってくる...。

新しい物事を組織的に生み出す環境を準備しようとすれば、そうした多様性をもった異質な者同士が集い、コ・クリエーションするような場をいかに用意するかといったことがまず課題となります。

それは前回の記事「ブレインストーミングを成功させるためには何が必要?」で取り上げた、ほかの人のアイデアを発展させたりしながらとにかくアイデアの量を増やすブレインストーミングでも同じで、数多くの異なるアイデア同士が互いに絡み合うような形がつくれた場合ほど、斬新なアイデアが出てくる可能性が高まります。

そのためには多くのブレインストーミングで使われるポストイットのように、異質なもの同士が集まり、肩を並べることを可能にする共通フォーマットや、「ほかの人のアイデアを発展させる」というルールのように元から異なる要素同士の連携をうながすような約束事も必要となるでしょう。反対に、そうしたルールやフォーマットのような仕組みがないブレストでは、たんに人が集まり、アイデアがいくつか出されるだけで、創造的な結果には結びつかないことが多くなります。

異質な要素がたがいに集まり、その場で関わりあえる場づくり、仕組みづくり。組織的な創造性を高めることを考えるうえでは、このあたりが1つのポイントになりそうです。

何か新しいアイデアがほしいときに何人かで集まってブレインストーミングをやること自体は、もはやビジネスシーンで普通に見かけられるようになった光景ではないかと思います。数人が集まって、それぞれが思いついたアイデアをポストイットに書いて貼っていったり、ホワイトボードに書き出してみたり。アイデアをいろいろ考えること自体は楽しい作業なので、その場は他の業務を行なっているときよりも盛り上がることが多いと思います。

けれど、新しいアイデアが欲しくて行なったブレインストーミングが当初の目的どおりの成果を得られて成功に終わるかというと、その成功率は決して高くはないでしょう。なかなか斬新なアイデアが出てこなくて、ありきたりの答えばかりが集まってしまうというケースも多いと思います。

ブレストを成功させるための要素にはどんなものがあるのでしょうか? そもそも、おもしろいアイデアってどうしたら出せるんでしょうか?

今回は、そんなことをすこし考えてみようと思います。