これまで私たちは、医薬品のパッケージや医療用ソフトウェアなど医療/健康に関するデザインを通じた問題解決のお手伝いをさせていただきました。

プロジェクトをお手伝いさせていただく際、私たちはまず実際の医療現場で、患者さんの様子や病院でお医者さん、看護師、薬剤師さんたちの作業を観察させてもらったり、その後にお話を伺ったりする民族誌的調査(エスノグラフィー)を行なってきました。
Webサイトのコラム「エスノグラフィーと体験のデザイン」でも書きましたが、調剤ミスを削減したり、効率的な調剤作業を行えるようにするなどの課題をもった医薬品パッケージのデザインを行なう場合でも、実際に薬を扱う人びとがどんな状況でどんな不満や期待を抱きながら薬に触れているかを把握した上で、具体的なデザインのアイデアを考えています。現場での課題を理解した上で行なう改善は、調剤ミスを防ぐために薬剤ごとの識別がしやいようパッケージのデザインを変えるといった表面的な課題解決以上のアイデアをもたらしてくれます。
参考記事:コプロシステム・コラム「エスノグラフィーと体験のデザイン」
ただ、それでも現場の課題を理解すると、個別の商品やシステムの改善だけでは満たしきれない、利用者の体験という観点からより統合された解決策の検討が必要な問題があることにも気付きます。
特に、これからより高齢化した社会に向かうなかで、病院や薬局をはじめ、医療や健康に関わるサービスの場は単純に病気を治したり薬を出したりというだけでなく、勤めを引退した人びとにとっての会社に代わるコミュニティ的な役割の一部も引き受け、心の面でも健康のケアの助けになる必要も増してくるものではないかと思います。それには社会におけるコミュニティの場という視点で、医療や健康のサービスの場をリデザインする動きが求められているのではないでしょうか。
今回は、そんな観点から海外における医療/健康に関するサービス&エクスペリエンスデザインの事例を3つほど紹介してみようと思います。