こんにちは。コプロシステム 商品計画研究所の棚橋です。
今日から、このブログ「市場のお手入れ」をスタートすることにしました。
ここでは商品開発をベースとしたマーケティングやブランディング、それから私の専門分野でもある「人間中心のデザイン」の話題を中心に、いろいろお話をできればと思っております。
また、それ以外にも販促やマーケティングコミュニケーションという面からみたウェブの効果的な活用に関しても話を展開できればと思っていますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。
「デザイン」について
さて、今回は最初ですので、このブログ名「市場のお手入れ」について書いてみようと思います。
私は『デザイン思考の仕事術』という本を書かせていただいているとおり、これまで「デザイン」というものをビジネスのなかで活かしていくには、どうしていけばよいかという立場でお仕事をさせていただいてきました。
私が「デザイン」ということばを使うとき、それが一般で使われるのとはすこし違う意味合いを含ませています。一般的にはスタイリングをすることやその結果のモノの色や形をデザインと呼びますが、私はもうすこし広い意味で「デザイン」という言葉を使ってきました。
『デザイン思考の仕事術』では、「暮らしの道具をつくること、仕事の計画を立てること、企業が利益をあげるために組織を編成すること。そうした人が何かをよりよく成し遂げるための人工物を考え、生み出す活動すべてがデザインです」と書きました。
つまり、
いま自分たちが置かれた状況をすこしでも良くしようと思って仕事をしているのなら、その仕事はデザインなのです。
拙著『デザイン思考の仕事術』
というのが、私が「デザイン」ということばを使う際のスタンスです。
「デザイン」と「お手入れ」
ただ、「自分たちが置かれた状況をすこしでも良くしようと思ってする仕事」の仕方には、デザインのほかにもう1つの方法があると、私は思っています。
それが「お手入れ」です。
お肌のお手入れ、住まいのお手入れ、芝生や田畑のお手入れ、などなど。
お手入れというのは、ほっておくと自然に変化してしまうものを、なんとか人間がよいと思う方向に引っぱり、良い状態を維持しようとする活動です。
「デザイン」と「お手入れ」の違いは、デザインが良い状態を固定的に作り出そうとするのに対して、「手入れ」のほうは変化するものは仕方ないとあきらめつつ、それでも良い状態を維持するためにこまめな関わりで、自然に変化しようとするものと付き合い続けるという点です。
別の言い方をすれば「デザイン」は人工物を作り出し、「お手入れ」は完全には人工化せずにどこかに自然を残す、と言うこともできます。
市場を「お手入れ」する
こうした「手入れ」という活動が、いま、企業が市場に相対するときに大事になってきているのではないかと思うのです。
一企業が市場をデザインするというのはおこがましいですが、市場の手入れをするというのであればより現実的ではないかとも感じます。
刻々と変化する市場に対して、日々、手入れを行うというインタラクティブな姿勢で相対すること。
twitterやブログを通じて数多くの一般の人が自分の考えを発信し、他の人たちの声を耳にしている、このソーシャルメディアの時代。企業は自らの市場をデザインするという姿勢ではなく、常に市場の声に耳を澄まし、市場の変化に柔軟に対応するような、そんな手入れのスタンスが必要ではないか、と考えます。
そんな思いもあって、このブログのタイトルをつけてみました。
というわけで、まだスタートしたばかりのブログ。
週に何回更新できるかもわかりませんが、みなさま、今後ともよろしくお願いいたします。